2012年3月17日土曜日

それってこういうことだよね

君が代斉唱の口元チェック騒動で、橋下徹市長はますます先鋭化しているようにみえる。
きょうのツイッターでも、
「監視が悪いというなら、世の中、行政など成り立たない。行政はルールをしっかり守っていく、守らせていくことが使命である」
と気を吐いていた。

これほど「監視」「監視」と叫びながら有権者から支持される市長って、過去にいたのかな。
しかも、監視対象は北朝鮮の工作員や暴力団の組員ではなく、学校の先生。
橋下君は「有権者の多くは、ルール違反の教員を非難している」と強気だけど、
監視対象になったのは、ちゃんと歌った先生もひっくるめて全員だ。

ルール違反者を見つけるためには、ルールを守っている人もひっくるめて監視しないといけない。
大多数の人たちが、ルールを守りながら不当に「疑いの目」をかけられることになる。
橋下君を支持する人たちだって、「俺たちのことも監視してください!」と言うつもりはないだろう。
(そうだったら怖いけど)。

たとえば橋下君が将来、「大阪駅周辺の路上喫煙禁止を徹底させます」と宣言したら、大阪駅の周辺を歩く人たちすべてが監視対象だ。
タバコを吸わない人たちだって同じ。
監視員みたいな役人から、「こいつもポケットにタバコをしのばせて、路上で吸おうと思ってるんじゃないか」という目でじろじろ見られる。
ポケットからスマホを出そうとしたら、監視員の目がカッと見開く、なんてことになりかねない。

それにしても、こうしたことを橋下君にまともにぶつけても、「じゃあルール違反の教員を見逃していいんですか」と言われるだけ。
どうしたらいいんだろう。

内田樹先生が「最終講義」のなかで、こんなことを言っていた。

難しい学術的な概念や仮説を、わかりやすい日常的なたとえ話に落とし込んで説明することが僕は得意です。「これって、要するにあれのことだよね」という連想によって、似ても似つかぬものの間に思いがけないパターンの類似性を見いだすのは僕の数少ない特技です。

きっと、これなんじゃないかなと思った。
「橋下君がやっていることって、要するにこういうことだよ」とわかりやすい例示を考える。

小田嶋隆さんが今日のツイッターで
「橋下さんの支持層を右翼だと言う人たちがいますが、私は、彼らの既得権益者やインテリ層に対する憎しみを見ていて、文化大革命の折の紅衛兵やポル・ポトのクメール・ルージュを思い出します」
と書いているのを見て、なるほど!と思った。

橋下君はよく、競争をあおる新自由主義的な人にみられるけど、そうしたリバタリアンではなく、むしろ社会主義的な人なんじゃないかと思う。やたらと「統治」とか「監視」とか言ってるし。
そういえば、歴史学者の與那覇潤さんも朝日新聞のインタビューで「橋下徹さんの政治が賛否両論を呼ぶのも、いわば中国的な民主主義だからでしょう」と言っていた。


そんなかみ砕き方をしていくしか、いまの橋下君の勢いを止めることはできないんじゃないかと思う。

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