通勤電車の中で、ふと考えた。
もし、新聞の読者が投票権をもち、その新聞社の社長を選ぶことができるようになったら。
たとえば「新聞ななめよみ」の池上彰さんのような人が「新聞を変えましょう!」と立候補したら、人気を集めるだろうなあ。
橋下徹みたいな人が当選したら、どうなるだろう。
「新聞社は赤字なのに、社員の給料は一般の民間企業と比べてずいぶん高い」とかいって、給与カットから手をつけるんだろうな。4割カットとか言いだしたりして、記者たちはびっくり。
「社員基本規則」みたいなものをつくり、デスクの業務命令に3回続けて従わない記者を懲戒免職にする制度、をつくるかもしれない。記者が「事件の続報なんて、無理して書く必要があるんですか」とかいったら、「嫌ならやめてもらって結構です」とか言われたりして。
「文化部は赤字だから廃止」といった組織の統廃合や、「政治部や社会部は不偏不党になってない」とかいって、アンケート調査やメール調査を始める可能性もある。
本社の部長や地方の支局長の公募はどうだろう。
右翼や左翼の活動家も手を挙げてくるかもしれない。「新聞を、変えます!」と威勢のいい所信表明をしながら。
そのうち、記事にも注文をつけるようになって、「この記事は読者の理解を得られない。差し替えてください」といった社長命令を出すようになるかもしれない。
記者が「どうしてですか、これは大事な記事ですよ。何度も1面に載ったし」と抵抗しても
「これが読者の民意です」
「嫌なら、あなたが立候補して社長になってください」
と言われておわり。
こうした「改革」のひとつひとつを、毎日のように報道各社の取材に応じる形で公開していく。
そのたびにテレビや他の新聞が大きく報じる。
「橋下改革に戸惑う社員」とかいう見出しで。
テレビの街頭インタビューで
「我々の思っている読者の民意とは違う」
とか答える記者がいたら、反省文を書かせる。処分もあるかも。
でも、新聞記者の高給に批判の矛先が向けば、読者はこうした改革に賛成するような気がする。
「橋下さんは、はっきりものを言うからわかりやすい」とか言いながら。
記者たちが反対しても、「既得権益を離したくないから反対してる」と批判されるだけ。
「庶民の味方みたいな顔をしながら、自分たちはいい暮らししてたんやな」と反発を招く。
一部の有識者は反対の論陣を張るかもしれない。「文化面を守れ」とか「利益誘導と脅しでは記者は育たない」とかいって。
でも、「自称インテリがふざけたことを言ってるけど、現場をまったく知らない机上の空論だ。このままでは新聞社は倒産する」とツイッターでつぶやいて、おわり。
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