2012年4月12日木曜日

北朝鮮ミサイルと橋下政治の共通点

北朝鮮のミサイル発射予告のニュースをみながら、大阪市の橋下徹市長の政治手法について考えた。

なんで北朝鮮がミサイル発射をするのかといえば、今後の外交交渉に有利に働くと考えているからだろう。決して、戦争をおっぱじめようとしているわけではない。

なんで今後の外交交渉に有利になるのか。「あんまり僕をいじめると、本物のミサイル、撃っちゃうよ」という脅しになるからだろう。「撃ってほしくなければ、言うこと聞いてよ」と。

なんでそういう脅しが効くのかといえば、米国が北朝鮮と戦争になることを望んでいないからだ。
「北朝鮮、許すまじ!」と本気で考えているなら、やれることは軍事行動しかない。
でも、そうなったら米軍の死傷者は出るわ、国際関係はめちゃくちゃになるわ、大変なコストがかかる。
それでいて、イラクみたいな石油資源があるわけでもない。
ミサイルを撃たれて困るのは米国だ。

こうして考えると、北朝鮮ってやりたい放題。
食糧支援は受けられなくなるかもしれないけど、そうしたら脅しのレベルをさらに上げて、核実験でもやればいい。
国際的にいくら非難されても、失うものはほとんどない。
金正恩体制が維持できれば、あとはどうでもいい。

で、橋下君。
きっと、こんな北朝鮮の政治手法を「すごい」と思って見ているに違いない。

産経新聞によると、橋下君は12日のぶら下がりで、北朝鮮を非難する一方で、日本の外交・防衛体制について、こう語ったという。

他国への信頼だけで平和は維持できない。自分たちで備えをしていくことが絶対に必要。
武力行使というわけではないが、適度な力と対話のバランスの中で平和が維持されていくことを、
僕らの世代はもう一度教育してもらわないといけない。

これって、今の北朝鮮のこと?

「他国への信頼だけで平和は維持できない」から、北朝鮮はミサイルや核の開発をしている。
「適度な力と対話のバランスの中で平和が維持されていくこと」を知っているから、北朝鮮は挑発と協議を繰り返している。
橋下君は、そういうことを「もう一度教育してもらわないといけない」と日本国民に訴えているのだ。

北朝鮮は資源もなく、軍事力も弱いのに、ミサイルや核を持ったことで米国や中国と対等に外交交渉をしている。
政治力としてはすごい。
橋下君の政治手法の基本が、こうした「脅しと対話」にあるのは間違いない。

たとえば、橋下君の「大阪維新の会」。
自民党や民主党などの既成政党のような組織力や資金力はない。あくまでも地域政党だ。
関西では人気があるけれど、全国でどれほど票を集めるかわからない。
いま総選挙になったとして、過半数を取れるだけの力はなさそうだ。

でも、野田政権は橋下君を無視できない。
だって橋下君の政策に反対したら、維新の会は民主党の議員がいる選挙区に「刺客」を立ててくるかもしれない。
大阪の選挙区には官房長官をはじめ政府と党の要職に就いている議員が多い。
そうした人たちの選挙区に、東国原氏などの有力候補を立てられたらどうなるか。
全国で過半数を獲れなくても、政権与党にとって十分な「脅し」になる。

だからこそ、大飯原発の再稼働にあたって、原発から100キロも離れた大阪市が「我々と安全協定を締結せよ」と要求しても、野田政権はまったく無視というわけにはいかない。
大阪市と大阪府を統合する「大阪都構想」に各党が取り組み始めたのも、総選挙で自分たちの議員を落選させたくないからだ。

刺客というミサイル、維新の会と戦争をしたくない民主党政権、独裁者みたいな橋下徹。

橋下君に、
「金正恩の政治手法について、どう思いますか」
と質問してみたい。

「すごいと思いますね」
なんて、素直に言うわけないか。

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