大阪市の橋下徹市長が、全面禁煙の市営地下鉄の構内でタバコを吸った助役を懲戒免職にするよう検討を指示したという。タバコの煙で火災報知機が作動し、地下鉄4本に最大1分の遅れが出た。
タバコ1本で免職かよ、と思ったら、橋下君は「免職は法的に問題があるかもしれないが、司法決着すればいい」と言ったという。
大阪市営地下鉄では2月に清掃作業員が梅田駅の倉庫でタバコを吸っていて火災が起き、大騒ぎになったばかりだ。
服務規律の厳格化をはかる時期に起きた今回の問題に、「許し難い」と怒り心頭のようだ。
でもこれ、ひどくないか。
「法的に問題があるかもしれない」ということは、違法性があるかもしれないということを認識しているということだ。
これって地方行政のトップによる「権力の濫用」じゃないのか。
橋下君は、いつものように危険球ぎりぎりの球を投げて、労働組合を威迫することを狙っているのかもしれない。
結局は、免職ではなく停職や減給に落ち着くのかもしれない。
地方公務員の懲戒処分の「ユルさ」をあぶり出すための観測気球という見方もできなくもない。
でも、そうした結果オーライで済ましてはいけない言葉だと思う。
野田首相が「法的に問題があるかもしれないが、原発は再稼働させていただく」と言ったらどうか。
原発はだめだけど、職員1人のクビぐらいならいいという問題か。
違法かどうかを最終的に判断するのは、言うまでもなく司法の役割だ。
橋下君はきっと、こんな弁解を考えているのだろう。
「もちろん、僕は違法とは思っていません。懲戒免職は当然だと思ってます。でも、相手側が違法と言ってくるかもしれない。そうなったら司法決着したらいい。そういう趣旨で言っただけです」
でも、朝日新聞を除く新聞各紙によれば、きょうの発言は「法的に問題があるかもしれないが」と明確に言っている。「問題があると指摘されるかもしれないが」ではない。
権力者が感情のおもむくままに公権力の行使をしたら、それは法治国家ではない。
あくまでも法律に従わなければならない。
その法律を決めるのは、国民が選んだ国会議員たちだ。
どんなに職員の行為が許し難くても、その一線は越えてはならない。
納得できないなら、法律を改正することで対処する。
それが、橋下君が日ごろ繰り返し強調している「民主主義」のルールじゃないか。
厳しい言い方をすれば、今回の橋下君の発言は、民主主義に対する挑発行為と映る。
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